大人と子供の分水嶺

 「一月、行く」とは言ったモノで、気がつけば早、睦月も終わろうとしております。昨日はでしたが皆様いかがお過ごしでしょうか。嵐と言えば、先週は当ブログ開設以来しこしこと梅干しツボに蓄えるように貯めてきたビューポイントが3日で倍になるくらい沢山の人においで下さりまして正直いまだ当惑しておりますが、嵐の中書きそびれたネタを思い出したのでこの際済ませとこうかと。議論もほぼ終結しましたことですし。ああ、モチロン忘れてるでしょうからリンク張っときます。ココの巻頭ですよ。
さだまさしで島おこし 対馬「防人の詩の島新法」超党派議連が提案 bogusnews配信

国境の島・対馬で過疎化が進み危機的状況におかれている問題で、超党派の国会議員からなる「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子会長)は14日の総会で、島おこしに歌手のさだまさしさんを活用した
防人の詩の島新法」
制定に向け具体的な作業に着手することを決めた。
同新法の発案者は山谷えり子会長。さださんが名曲「防人の詩」で国境をまもる防人を歌っており、対馬を連想させることから思い付いた。さらに会長は女子高生のとき「さだまさしのセイ! ヤング」を聴いて育ったという、生粋のまっさんファン。年越しもNHKさだまさし。カラオケの十八番は乙女心をかいま見せる「パンプキンパイとシナモンティー」だとのことで筋金入りだ。

 このネタの素晴らしさについてですが。私が評価しているのは「パンプキンパイとシナモンティー*1と言う選曲の渋さ*2、ではありません。注目すべきは次の場所。

さださんが名曲「防人の詩」で国境をまもる防人を歌っており
(中略)
生粋のまっさんファン

「さださん」、それに「まっさん」。この使い分けこそがマニア心をくすぐるこのネタの一番コアコアな部分だと私は主張したい。
 何でこんなトリビアルな部分に執着するかと言いますと、この使い分けができていない残念なネタを以前目にしているからなんですね。

幕張サボテンキャンパス(1) (竹書房漫画文庫 SC 1)

幕張サボテンキャンパス(1) (竹書房漫画文庫 SC 1)

 あら文庫が出てたんだ。
 恐らく1巻だと思うんですが、メインキャラの一人、津田沼聡が「さだまさし研究会」の一員であることが判明するネタがあるんです。で、その時津田沼が「まさしさんの悪口を言うな!」と激高するんですよ。
 これね。あり得ないんです。
 「さだまさしのセイ! ヤング」を聴いて育った、東ハトと言ったらセリオよりマルチキャラメルコーンよりオールレーズン派の私*3としては看過できないミスなんです。作者のみずしなっちはさだまさしファンではないと断言できてしまえるんですよ、この記述は。さだ研のことも全く知らないで書いてるな、とも。
 そこは「さださんの悪口を言うな!」もしくは「まっさんの悪―」としてほしかった。サボテンキャンパスのファンだった私としては、読み返す度いつも非常に残念でならない。このもどかしさ。で、10年以上たった今に至るまで覚えている訳です。我ながらしつこいですね。
 このことは、一つ重要な教訓を与えてくれます。
 「知ったかぶりは、必ずバレる


 さて。頭にも書きましたが、某所で始まった論争も今や総括の時期にさしかかっております。
 tittonさんの議論手法の分析
es 別館 tittonさんの議論手法に関して
水伝批判批判へのレス
 総括
Interdisciplinaryな掲示板 「詭弁者」の続き
 年末から一通り見てきましたが、結局「誠実さによる評価」の有効性を皆に再確認させる結果に終わったようです。論争に臨む上で何より必要なのは「自省心」である、と。同時に、メタに逃げようが長文で煙に巻こうが、論点を目まぐるしく変えて攻撃をそらそうとしようが、頭の良い論客に掛かれば無駄である、と言うことも実証されました*4。詭弁は結局の所「釣る」技術でしかない。そのことを立証できたことが今回の収穫と言えるんではないでしょうか。
 個人的にはもう一つ、収穫がありましたいやビューポイントじゃなくて。
 人間、間違えている事はいわば身体性を持って覚えることができます。「まさしさん」問題でもそうですが、上記の素晴らしいネタも時間が経てば忘れてしまう、これはほぼ確定的に言えることです。しかし、サボキャンの間違いはいつまでも*5覚えている。
 今回の論争を通じて、色んな論者が様々な形で素晴らしい対応術を見せて下さいました。その手法はいずれこのブログが炎上嵐に見舞われたとき役に立つ知識となるでしょう。しかし、むしろそれ以上に、今回批判の対象となったやり口、非誠実な対応姿勢の方から学べるモノは大きい。何しろその知識は、自分がいわば「嵐」になることを防いでくれるのですから*6
 反面教師は、実に有効な教師です。今回対応為された皆様は、私なんぞから見たらお空のお星様(いかん、不吉だ)理想やせめて目標としてならともかく、その優れた知見や対応を今すぐ真似しろと言われてもそれは無理な話です。積み上げてきたモノが違うのですから当たり前です。しかし、反面教師の方ならば明日にでも真似することができます。いや、自省を忘れれば今この瞬間に詭弁者の仲間入りしてもおかしくない。
 理想は遠くにあって私たちを導いてくれますが、反面教師は私のすぐ後ろに控えてじっと様子を窺っている。その距離感の違いを感じた事が、私としては最大の収穫だったと思います。
 いずれにせよ、私には学ばなければならない事が、まだまだたくさんあります。これは実に素晴らしくぼんくら素敵な事だとも思うんですよ。

追記 2009/02/01
genb様からご指摘ありましたが、キャラメルコーンのCMもやってました確かに。それと、コメント頂いた「笑顔同封」はマジでかなり良曲です。特に歌詞が。

封を切ったなら
こぼれる日射し
あなたは相変らず 手紙にまで
笑顔同封

さだまさしは暗いとか言われた時期があったんですが、とんでもない間違いです。いいですか、まっさんは暗いんじゃなく、優しいんです。ってゆうか、一度でもコンサート行けば暗いなんて絶対思わないんですけどね。
そうそう、つっごいサイトを見つけてしまったのでリンクしておきます。さだまさし全曲歌詞集*7

*1:今でもバラの形の角砂糖なんてあるんでしょうかね?

*2:そう言えば昔、南野陽子だったか「私さださんの曲好きです!お気に入りは「加速度」」。と渋い選曲で一部まっさんファンの度肝を抜き更に一部のファンを驚喜させた出来事がありましたが、因みに私の一押しは「沈吟―ピアニッシモ―」です。いい加減マニアックです。

*3:東ハトはセイ! ヤングのメインスポンサー。♪東ハトオールれいずん、とスポット広告が何度も入って洗脳されます

*4:特に感心、って言うか恐ろしかったのは あらいさんの対応。全ての論点を粉微塵に粉砕します。私だったら回線切って二度と戻って来ない自信があります。とまれ、皆様お疲れ様です。

*5:ここで発散したからもう忘れるかも

*6:tittonさんはじめ今回の論争に関わる誰かが「荒らし」であると言ってる訳ではないですので一応。追記02/06 結果的に荒らしでしたね。上記の皆様の御陰で実に効率よく対応できました

*7:権利関係は敢えて調べない方針で。