台所を二人で快適に使う為に必要なたった一つの掟。
キッチンを二人で快適に使う為のライフハックです。守るべき事柄はただ一つ。
横に立たない。
前回は台所の掟と題し、お台所が城である事と城主には逆らうなと言う事を力説しましたが、今回は物理的な横並びについて検証したいと思います。早い話が「俺の隣に立つな」byゴルゴちゃんと言う事です。
では詳しく解説しましょう。
キッチンの構成
お台所は、次の4つの要素で構成されています。
-
- 水回り(
真紅シンク) - 火回り(コンロ・オーブン)
- 作業スペース
- 収納スペース(冷蔵庫・食器棚)
- 水回り(
作業スペースとは、要するにまな板置く場所です。一般的なキッチンだと、シンクとコンロの間に「洗い場」とも言うべきスペースが設けてあって、調理時はまな板置き場に、食器を洗う段になると洗い物を置くスペースに使えるよう設計されてます(この辺は例外もあるでしょうが。)。普通はそこにまな板を置いて調理することになるでしょう。予断ですが、鍋をちょっと置いておけるスペースがあると調理の時大変重宝します。
さて。私は生まれて18年+ほんのちょっと人生歩んで来ましたが、今までコンロ―作業場―シンク(左右逆転可)の構成でないキッチンは見た事がありません。必ず作業場を挟んでコンロとシンクが併設されていました。実際、使ってみてもそうでなければ使い難くってしょうがないでしょうね。
なぜその配置になっているか。ここに、台所を二人で使う鍵があります。
カレーライスを例に挙げます。
人参を洗って、まな板で切る。人参の赤色はまな板に移りますから、切ったらお鍋なりザルなりに移して、まな板をサッと洗います。で、玉ねぎを切り、お肉を冷蔵庫から取り出して、私はいつも下煮するので小鍋を火にかけ、サッと湯通ししてザルにあけ、軽く流水で洗って油と灰汁を取ります。その後、かたまり肉ならぶつ切りにして、お肉を切ったからまたまな板を洗って、人参・玉ねぎと炒め、大鍋に移し、その隙にジャガイモを………。
お気づきでしょうか。
カレーは、乱暴に言ってしまえば肉と野菜を切って片っ端からお鍋にぶち込んでいけばできてしまう、シンプルな料理です。イメージとしては、まな板→コンロ(お鍋)で決して間違ってはいないのですが、それでも度々シンクを使っています。例えばジャガイモの下準備の際にも、先ず洗う、皮を剥き芽を取る、もう一度洗う、切る、まな板洗う、と事ある毎にシンクで水洗いします。
例え調理が佳境に入っても、大鍋でグツグツ言わせてる段階においても、油断はできません。灰汁を掬うのに小鍋に水を張りたい時。お水が足りなかった時。ちょっとお玉や味見用の小皿を洗いたい時。シンクが空いていないと大変に困ります。
つまり、調理している時は例え別の場所、まな板で野菜切ってようがお鍋をかき混ぜてようが、シンクは空けておかないとダメ、と言う事です。コンロ―作業場―シンクの一部でも占有していると、調理が停滞する可能性があります。
具体的に言うと、野菜切ってるからとシンクで洗い物を始めたり、コンロ片方使うね二つあるからいいよねと麦茶沸かしたりする行為は、厳に慎まねばならない、と言う事です。
お手伝いのベストポジション
じゃあ、占有しなければ良いのかと言うとそうでもありません。
どんなお大尽なご家庭でも、キッチンは手狭なのが普通です。これは前回言ったように、家庭の台所が基本的に一人の「城主」に切り盛りされることを想定しているからです。どんなゴージャスなキャデラックでも、運転席が3m四方あったりはしません。それでは運転しにくくって仕方ないでしょう。
台所も同じで、必要な時、必要な品がすぐ取れるように配置されています。結果的に台所は狭くなります。
要するに、横にいられたらそれだけで動線を妨害する、と言う事です。
では、お手伝いなどでキッチンに入る際、何所にいれば追い出されずに済むでしょうか?
前述したように、調理中、城主はコンロ―まな板―シンクに食器棚・冷蔵庫を忙しく行き来します。この動線を妨害してはいけません。また、シンクは空けておいた方が良いでしょう。
となると。論理的に導かれる安全地帯は二ヶ所となります。
1つは、意外でしょうがコンロの前です。ただし一番端っこに陣取って下さい。
コンロと言うと調理のクライマックスの舞台のように思われがちで、実際味付け・火加減・鍋振り等、調理の中核部分を担っている場所なんですが、ただ、焼き魚や煮物、テンプラの時なんかは助っ人がいるとかなり助かるのも事実です。例えば揚げ手や火加減番(トトロでメイちゃんがやってた「お魚焦げてるー」係のこと)がいると、他の部分に集中できて非常に助かります。
2つ目。こちらが今回お薦めするベストポジションです。
城主の、斜め後ろ。真後ろだと振り向いた時にぶつかるかも知れませんので。
水も火もなくて、何ができるんだ? とあるいはお思いでしょうが、いやいやちゃんと城主のお役に立つ事ができます。例えば、そうですね大根おろしとか。納豆を器に移してかき混ぜる、なんてのも助かりますね。あとは、インゲンの筋取り。食器出し。
「そんなつまらん事やらせるな!子供のお手伝いじゃないか!」と激高した貴方。冷静に考えてみて下さい。この「お手伝い」、貴方がやらなかったら誰がやるんですか? つまらない事だからこそ、城主の手を煩わせてはいけないんです。
これらの雑事は、確実に手を塞ぎます。言い換えるなら、お手伝いすれば確実に手が空きます。料理の行程が丸々一つなくなるのですから、これはかなり、切実に助かるものです。
それじゃ物足りない、もっと凄いお手伝いができる! と言う方は、もうちょっと張り切って一食丸ごと作ってあげて下さい。つまり、料理当番ごと代わる。ただし、その際には城主ではなく城代である自覚を持ちましょう。現状復帰は原則です。使ったモノは、元ある場所へ。
中途半端が一番困ります。作り終わった後、もう一品追加ったってお料理冷めちゃう!*1
お手伝いする時には、ヘルパーに徹せよ。これが今回の結論です。
まとめ。
- 台所は誰の城かハッキリさせて、城主には果てしなく服従。
- 動線は邪魔しない。後ろでそっと見守る。
- 手伝う時は、下働きに徹する。シンデレラは灰かぶりという意味だと知れ。
- だから料理してる側で洗い物始めんなって泡飛ばすなよ野菜のゆで汁捨てたいんですけど?(超実話)(日常)(もうかんべんして)
*1:料理している身にとって、一番腹立たしいのが、これ。熱いうちに喰えよ!