期待の新星と成人式

 第87回全国高校サッカー選手権大会の決勝が先日12日、成人の日に行われました。サッカーに興味ない方でもあのテーマソング(今日の表題参照)はご存じかと思います。これに匹敵するのは甲子園で栄光が輝くくらいですかね。
 結果は、広島皆実3-2鹿児島城西、大会屈指の大型FW大迫君に注目が集まりましたが、失点された直後に得点して波に乗った広島が最後まで主導権を渡さず勝ち切りました。大迫君は大会記録の10得点目をマークし、得点王に花を添えましたが

あっさりと偉業を達成しても、準優勝という事実に「大事な試合で点を決められないのが、今の自分の力。いくら取っても決勝で勝たないと意味がない。最後に結果を残せずに残念」と、暗い表情は国立競技場を去るまで変わらなかった。

だ、そうです。そう言えば北京五輪でも銀メダルに「うれしくない」と言い放った選手がいましたね。負けん気が強いのも一流選手には必要な素質かもしれません。いや、若いって良いですねぇ
 新人の育成に定評のある鹿島行きが決定しているようで、将来が楽しみです。ま、個人的には浦和ユース組の敵じゃあないですが城西に3−0で完勝してるし*1
 さて、成人の日と言えば、サッカー界ではこんなトピックスが。
サッカー日本代表、選手の成人式出席「禁止」

[東京 12日 ロイター] サッカー日本代表岡田武史監督が、今年に新成人となる若手選手3人に対し、成人式への出席を「禁止」した。

 岡田監督は、代表合宿に参加しているC大阪乾貴士香川真司大分トリニータ金崎夢生に成人式への欠席を指示。取材で「成人式に出席する必要はない。私も行かなかった」などと語った。

 この報道が本当だとして*2
 ものすごく最大限に好意的に「行事より代表を優先したい選手に配慮し、敢えて憎まれ役を買って出た」と妄想的に解釈することも出来ますが。普通に考えて、これはマズイでしょう。
 形骸化が進んでいるとは言え、自治体主催の、ましてや地域の伝統行事への参加を「禁止」しようと言うからにはそれなりに正当な根拠が必要だし、それを説明する義務もあるはずです。地域密着を謳っているならなおのこと。必要はない、なんて一方的に宣言するのはハッキリ言ってパワハラ以外の何者でもないでしょう。自分が行かなかった事を理由にするなんてのは論外。
 本来なら、この時期に招集する以上、上層部の方から成人式に参加させる為にどうするか、十分に配慮があってしかるべきです。禁止しようなんて発想そのものが間違っています。
 人によって事情も立場も考えも、成人式に対する価値観も違うはずです。十分なバックアップがあって、その上で「いや、私は成人式よりサッカーを優先させる」というのなら、それは大いに結構なことです。今回たまたま該当の3人がそうゆう価値観であったかもしれないし、その可能性も高いとは思う。しかし、そうでないことだって十分にあり得たはずです。
 行事に参加するも参加しないも、それを自主的に決める権利が成人にはあります。今回の行為は取りも直さず監督、あるいは協会が、「成人」の意義そのものを否定したに等しい。
 成人式は、かつて大人に至る通過儀礼だったとか。禁止なんぞと幼稚な発想しか出来ない者には、是非改めて成人式からやり直して頂きたいです。あ、岡ちゃんは不参加なんだっけ? 道理で……。

*1:レッズは他チームに先駆けて始動した模様。でもDFの補強は…相馬もいなくなったし……

*2:これはカンに過ぎないんですが。この報道、ちょっと違和感というか、しっくり来ない感じを受けます。岡ちゃんの言葉も最近違う文脈で聞いた発言そのままだし。誤報の可能性を考慮せざるを得ません。