政治家がそれじゃ困ると思わなくもないが。

昨日の続きという訳でも無いんですが。ちょっと前こんなニュースがありました。麻生首相「みぞう」、どよめく委員会 漢字テスト12問

「われわれは今……、未曽有(みぞう)のいわゆる危機といわれる」。麻生首相が20日の参院予算委員会で、かつて「みぞうゆう」と誤読した漢字を正しく発音し、委員会室がどよめく一幕があった。
(中略)
石井氏は、首相が就任直前に月刊誌「文芸春秋」に寄稿した論文から、「畢竟(ひっきょう)」「窶(やつ)し」などの難しい漢字を抜粋したパネルを用意し、「(論文は)本当にあなたが書いたのか」と迫った。首相は「書かせていただいた。皆さんが読みにくいのは『身を窶し』ぐらいじゃないか」と涼しい顔。石井氏は「じゃあなぜ『みぞうゆう』なんて言うんだ。率直に認めないとまた支持率下がるよ」と皮肉った。

悪かったな。じゃなくて。
読めないからって書けない訳じゃないだろ、とか、民主党の副代表ともあろうお方が参院予算委員会で漢字テストかよ、とか、そもそも意味がわかってりゃ読みなんざどうだっていいだろいや自己弁護じゃなく、とか当然至極なツッコミはさておいて。この件で民主党に絶望した! 的な反応が散見されるので、それはチョットまって、と一言申し上げようかと。
 私的なことで恐縮ですが、私は最初の一回目以外、選挙では一貫して選挙区:民主、比例:共産で投票を続けております。しかし、じゃあその両党の政策を支持しているのか? と聞かれるなら、ううん全然? と答えざるを得ません。
 ぶっちゃけて言えば、私はこの両党は大嫌いです。民主党に至っては消えて無くなればいいとさえ考えています。共産党の姿勢や政策はなんとも肌が合わないですし、2大政党制なら保守vs革新、そうでなくとも政策スタンスの違う政党でなければそもそも選択肢になりません*1。民主は邪魔だと思ってます。
 それでもその両党に投票を続けているのは、政権、というより現状に不満があるなら政権交代をしないよりした方がまだマシで、その為には民主に第1党になって貰う他現実的に手段がなく、そして第3勢力としてキャスティングボートを握っているのが公明党であるよりは、共産・社民であったほうが、これまたまだマシである、という考えからです。どの政党の政策が一番優れているか、ではなく、どこに投票したら一番マシな状況になるか、で政党を選択していると言うことですね。
 モチロン、政党は純粋に政策で選択されるべきだ、と考える人もいるでしょう。その考えは最大限尊重されるべきだと思っています。私自身、最初の投票では他の要素を考慮せず、純粋に政策だけで政党を選びました。「結果として」選択されたのは泡沫候補で、「結果的に」私の最初の一票は死票となりました。
 私としてはこの時の投票は理想であり、かつわがままでもあったと思っています。当たり前ですが、死票は国政には反映しません泡沫候補に投票することは自ら進んで死票にするのと果てしなく同じ行為で、それは得てして現役を利する行為となります。しかし一方、理想に対して投票しなければいつまで経っても理想は実現しません。
 選挙なんてフタを開けてみなければわかりませんし、最初からあきらめて理想に投票しなければオバマ大統領は誕生しなかったでしょう。しかし、共和党から政権を奪取することが目的であるなら、私ならヒラリーに投票したし、これからもするでしょう。それが私の選択です。
 要するに何が言いたいかというと、絶対評価より相対評価の方が重要じゃね? と言うことで。

それにしたって選択肢が不毛すぎる。
−2と−4を選択しろったって誰も(選挙に※引用者)行かないよそんなの

というようなことを昔、村上春樹がエッセイで言っていた*2んですが、−2と−4を選択しない者は、いずれ−20と−25を選択する羽目になるものです。選択肢の劣化を止めたいのなら、選挙で「よりマシな方」を選び続けることが必要ではないでしょうか。「絶望は愚か者の結論」ですよ?

*1:民主の政権担当能力を云々する人もいますが、やらせたら自民とかわりゃしませんて。

*2:引用元の本が手元になくてうろ覚えですが。すいません。多分村上朝日堂だと思うんですけど