最近サンタを見なくなった本当の理由

 今し方1777に次いで4888ビューを踏んで当ブログの一番の読者が自分自身であることを証明しましたが皆様、スペイン風邪流行の折いかがお過ごしでしょうか。いのちをだいじに。
 昨日はてなブックマークの話をいたしましたが、なんとエルバッキー様にお気に入り頂きました*1!いやホントだって。せいぜい14程度のブクマ数しかないマイブクマを選んで頂いて本当にお目が高い申し訳ないような気もします。日々精進(トンデモ収集的な意味で)ですね*2
 さて。よく言われることですがネットに書き込むということは、言葉を文字通りワールドワイドに発信すると言うことで、居酒屋でくだを巻いている状況とは明確に違います。ブログだろうが日記だろうが「言論」としての権利と責任がある、まあ当ブログを読んでやろうかという好奇心旺盛かつ小粋で洒落のわかる知的水準の高い読者様なら自明のことでしょうけど。そういえば最近、土足で神聖なる国技を愚弄するなとブログで表明した後、スリッパを靴と間違えた事に気付き、潔く謝罪して男は上げたものの悪魔は下げた*3某閣下もブログでこう仰っておいでです。「この場もマスメディアである」。マスメディア批判は当ブログでも行っていますが、ブーメランで怪我をしたくなければ最低限自分の言葉に責任を持たなければと強く自戒する所存です。
 で、何が言いたいかと言いますと、要するに昨日の予告を果たそうかな、と*4

例えが破綻しすぎていてツッコミどころが多すぎ、論立てが意味不明になっております。

多くの製品は情緒を売っているので科学的では無い件 - だめリーマンの思考法様に対する、昨日のエントリーの結論がこれです。批判、と言うより雑感ですし具体的な理路も明らかにしておりますが、悪い例えと言うだけでなく実際に「適切な例え話」を提示した方がより建設的な批判に繋がるとも思います。とは言え、商品の情緒の部分を批判するニセ科学批判者は正直藁人形ではないかと疑っておりますし、素人にわかりにくいグレーゾーンについても「じゃ、黒だけ批判すればおk」もしくは「それじゃもっと積極的に周知しないとね」で済んでしまいます*5。そこで、発想を逆転させて(逆転検事楽しみです)ニセ科学はなぜ批判されなければいけないか、サンタクロースを例えに説明に挑戦したいと思います。

 まず最初に。ヴァージニアよくお聞き、サンタクロースは存在します。その存在確率はミッキーマ○スとほぼ同じ、「オレの嫁」よりかは幾分下、と見ています。サンタクロースは、小人が作ったおもちゃを赤鼻のトナカイが引くそりに乗って世界中の子供達に配ります。
 世の中は色々なので、中には「こいつ、トナカイ信じてやんの!」と叫ぶ女子高生や「サンタはいない! 全世界の子供にプレゼントを配るとしたら一人あたり……」と計算始める幼稚園児もいるでしょうが、まあ、いい大人でサンタを否定する人はいないと言っていいでしょう*6。取り敢えず、今回の前提としてサンタはいる、事にします。おk?
 さて、ニセサンタというものを考えてみましょう。「サンタではないが、サンタを装っているサンタ以外の何か」。真っ先に思い浮かぶのはパパです(ママでも良いですが、以下便宜的にパパとします)。
 ただし、状況によってニセかどうかはかわってきます。
 「ほら、みつどんが良い子にしてたから、寝てる間にサンタさんがはてなスターをプレゼントしてくれたぞ?」
 「おや? みつどんが寝てる間に枕元にDS世界樹の迷宮が。良い子にしてたからサンタさんがプレゼントしてくれたのかな?」
 この二つではニセサンタかどうか判断が分かれます。
 上の場合、スターを付けたのが誰であれ、パパはニセサンタ、乃至ニセサンタ的言動を行ったことになるでしょう。パパが自らスターを付けていたのであれば「サンタではないのにサンタを装っている」にクリティカルヒットするため明確にニセサンタ(マイナスイオンゲーム脳他)です。問題はスターをサンタが付けていた場合ですが、はてなスターの性質上パパはそれと断定できないにもかかわらずサンタが付けたと断定していますので、サンタかどうか判明してないモノをサンタと断定した、ニセサンタ的言動を行った事になります(apjさんが批判なさっている水素水の宣伝がこれに相当しそうです)。
 問題は下の場合。パパは断定を避けていますし、プレゼントが誰からのモノなのか、パパが置いたのでなければ解りません。
 パパが枕元に置いたのであれば、やはりニセサンタです。「サンタでないにもかかわらず、サンタの仕業であると強く示唆」している状況(水伝を念頭に置いていますが、殊に最近明確に科学を打ち出しているので上記のクリティカルヒットの方かも)ですね。直後に「それとも、FOE好きのネズミかな?」とかぬかすかもしれませんが、その場合はパパの頭がグレーゾーンだと理解しましょう。
 パパが置いたのではない場合。本当にサンタがプレゼントしてくれた可能性が――みつどんがよい子にしていたはずがない、という反論はあり得るとしても――あります。ただ、それは実証されていないので断定はできません(未科学)。あるいは「常識ではあり得ない現象をサンタに仮託して説明した」つまり単に状況を独自の文脈で解釈した(オカルト)だけ、である可能性もあります。サンタと言う呼称は不適当ですが、ニセサンタとまでは言えないでしょう。この辺微妙ですが。
 因みに、フィクションであることが明確である場合(この文章がまさにそうです)、疑似サンタ、内でも「SF」であることになるでしょう。もちろん、サンタ・フィクションの略称です。
 以上は、ニセ科学批判の「判定」部分を例えばなしにしました。ここまで書いて実に適切でない例えな気がしてなりませんが、気にせず次の「批判」の部分に行こうと思います。
 
 サンタ、と言うよりむしろ良い子は大変希少なので(自分の幼い頃を思い出してみて下さい)サンタさんにプレゼントを貰う幸運は一部の人にしか届きません。その他の悪い子普通の子は、パパの善意によってサンタを疑似体験します。これを「地獄への道は善意で舗装されている」と表現する人は、ま、いないでしょうが、疑似サンタの存在はサンタの存在を曖昧にすることはあるかもしれません。ニセサンタはサンタと違ってサンタほど上手くサンタにはなれないからです。いずれ必ずサンタでなくパパがプレゼントしていた事がバレます。その時、正しいサンタ知識――サンタはいるけど、お前はプレゼントを貰えるほどには良い子じゃなかったんだ――を授けるなら問題ないんですが、往々にしてサンタなんていないんだ、と安易にサンタの存在そのものを否定しがちで、教育的な効果はともかくサンタとしては自分が配ったプレゼントまで否定されかねず困りものです。
 最も、パパサンタ自体は、サンタにとってそれほど大きな問題じゃないかもしれません。何しろ、パパがサンタだと言った所で説得力がないですし、やっていることはサンタと同じ、ことによるとサンタより効率よくプレゼントを配っているとも言えます。少なくともサンタの本業を邪魔するほどではありません。前述した困り所はあるにせよ、また、たまに二つプレゼントが配られるにせよ。、
 より大きな問題は、ニセサンタの中でもサンタの格好をしてプラカードを持っている呼び込み、あるいはケーキの売り子の方です。彼らは、よりによってただで配るべきプレゼントに金を要求しやがります。しかもこのクソ寒い時期にあえてミニスカートなサンタのお姉さんや、お姉さんがたくさんいるお店に呼び込むサンタさんは、時に目ん玉飛び出るほどの大金を請求してきます。自己責任とはいえ、サンタとしては堪ったモノではありません。自身のイメージが俗っぽく染まる上に不当に貶められてしまいます。
 イメージくらい良いじゃないか、というのは早計です。なぜなら、サンタさんは聖人として見られなければ、仕事ができないからです。考えても見て下さい、タダのデブったおっさんが屋根に上がっていたら、あまつさえ煙突から中に進入しようとしていたら、どうしますか。通報するのが市民の責務でしょう。サンタさんは、聖人としてそう言った行為を大目に見て貰っていたんです。困りましたね、もうその手は使えません。
 ニセサンタの中で更に更に、一番問題なのは、サンタさんの格好をしながら犯罪を犯す輩です。サンタの格好をして不法侵入。サンタの格好で婦女子に淫らな行いを。袋の中には子供がいっぱいオレの服は返り血で真っ赤だぜ、等。こう言った輩がいると、サンタさんはもう、街を歩くこともできなくなります。実際、夜道にサンタの格好をして歩いていたら、かなり高い確率で職質されるでしょう。ホントにされてしまって、身分を証明できず今も寒い代用監獄に閉じ込められているのかもしれません。網走でトナカイと共に、橇で材木を運んでいるかもしれません。
 それもこれも、サンタを騙って悪さをする連中のせいです。
 

 私は思うんです。
 もしあの時、正しくニセサンタを批判していたのなら。ひょっとして一月前、月を横切って橇を駆るサンタさんの勇姿が見られたんじゃないか、と。
 見たら見たで、絶対信じないですけど。

追記 2009/01/29
 ネタを優先にした結果、思いっきり不適切な例えになって超ブーメランですが(だめリーマン様ごめんなさい)まあそれはさておき。この話は「サンタさんは良い子にプレゼントをくれる」が前提となっております。当たり前の話ですが、現実においては「サンタさんは(パパにとって)都合の良い子にプレゼントをくれる」のであって、良い子の恣意性やプレゼントにかこつけた脅迫を通して子供は大人になってゆくので、要するに、例えば枕元に世界樹の迷宮があればそれは単に三国志2と入れ替えた時置き忘れた可能性が高く、ここでサンタさんの可能性を持ち出すのは悪しき相対主義の誹りを免れないでしょう、です。

*1:お気に入られ欄にネコ(とカエル)が佇んでいる風情がディモールト素晴らしい!私もプロフィール画像作ろうかな

*2:ublftbo・A-WINGさまからもお気に入られてしまいました。しょ、精進せねば……

*3:ネタを優先してこう書きましたが、キャラを維持しながら流石の謝罪だったと思いますです。

*4:ここでネタにしてしまう辺り、バラエティと謳えば何やったっていいというマスコミと重なる所があ痛っ、ブーメランが脇腹に――

*5:この辺メタ視点でこねくり回すのが流行っているようです。行きすぎた相対主義(悪しき相対主義)は最終的に何の価値も引き出せなくなるんですが。

*6:たとえ信じていなくともわざわざ否定しない――この点ニセ科学批判を理解する上で重要な論点に発展しそうですが、今回はスルー