言葉を理解することは、斯様に難しい。

 追記あり 続き→ことほど左様に言葉は難しい

はじめに。TAKESANのコメント欄についての見解(と私のコメントの補足)は中見出し後です。頭の部分は馬鹿話ですので、興味ない方はいいから読め読み飛ばしてください。
それと。掲示板で黒猫亭さんがおっしゃっておられる私、みつどんのまとめは、上の続きのエントリーです。それから、blupyさんがおっしゃっているご自分の意見に関しては、主にこちらのコメントを指しているように思います。ご参考まで。
  

先ずはお詫びと近況

 えー、全国百人くらい? の風呂上がりのビールと当ブログが生きる糧であるナウでハイセンスな有識者の皆様、昨日は更新できなくて大変申し訳ありませんでした。んぐんぐんぐ、くっはああぁぁっ!この一杯のために生きてるなあ。……いえ、ごっくんしてませんにょ?
 原因は二つあって、一つは、なんか前回更新滞った時にも書いてますが、はてブのせいです。友人にお勧めサイトを紹介する時、右側にどたぷーんと置いてあるアンテナから行くように指示したんですが、そんならはてなIDを取得して貰ってはてブに参入させれば色々好都合だと思いまして。しかし、ニコニコより時間泥棒な存在がこの世にあったとは思いませんでしたよ。助けてワンダーモモ!
 懸案だったタグについては、もうあきらめましたタグクラウドならそれほど見辛く無いですしねと開き直る方向で。現在、アンテナに登録して火狐の方のブックマークに放り込んだまま放置していたサイトをはてブに書き込む簡単なお仕事に取り組んでいます。100以上あるんですが。
 取り敢えず、お気に入り頂いた方のブログをブクマしたんですが、これがかな〜り悩ましいんですよ。例えば、doramaoさんのブログどらねこ日誌様。このブログはかなり方向性がハッキリしている方だと思うんですが、でもタグ付けする際には「トンデモ」を入れるかどうか凄く悩みました。ニセ科学批判も。結局、食・ネコ・健康で済ませましたが、う〜ん、これで良かったのか。そんなこんなで、3人分付けるだけで小一時間。ど、どこだ。灰色の背広を着た男はどこにいる?
 と、悩んでいた時ふと思ったんですが。当ブログにタグを付けるとしたら、なにが相応しいんでしょうか。取り敢えず、これはひどいすごいタグは除くとして、まあニセ科学批判か批判批判、最近はゆるかわを意図的に演出していましたので日記あたりかな、と過去記事を見直してみたんですが。
 社会・議論・議論・メモ・サッカー・社会・社会・Vocaloid・ネタ・議論……(・3・)アルェー?
 はてブじゃ「ニセ科学批判」タグは一番大っきくなってるんですけどね。直近のニセ科学批判エントリーは二十日以上前ですかそうですか。議論というのは村上春樹関連エントリーです。要するにイスラエル絡み。いやあ、みつどん曇天日記って政治系ブログだったんですね。ちっとも知りませんでした。ブログ開設時の私の夢は「はてサは巣に帰れ」「批判する人は心が冷たいんですね」と罵られることだったんですが、これなら何とかなるかもしれません。とは言え、特定イデオロギーに基づいた批判は科学以外はあまりやってないんで、これで政治系を宣言しても冥利が悪いですね。政治系(笑)ブログ? スイーツ(笑)
 それにしても。過去記事一覧を眺めると、本気で節操取り留めないラインナップです。元々トンデモ収集ブログを目指してゆくゆくは自らトンデモ化しようと目論んでいたんですが、一週間くらい様子を見て総合系何でもありブログに鞍替えしたので、人に説明できにくいブログになってるのは望む所なんですが、よく考えたらそう言うブログは人が説明しにくいブログなんですね。失敗失敗。まあ、今更もうどうしようもないんですが。
 

言葉を理解する 私のコメントの反省

 さて、もう一つの理由ですが。某所で文字を書きすぎたせいです。Interdisciplinaryー言葉を理解するですが。私はあまり書くのが早いほうじゃないので*11エントリーで大体2・3時間掛ほどかってしまうんですが、昨日はコメント二つに6時間かかっちゃいまして。しかも後から読み直すと、結構的外れ? だった? ような……? しかも、アタゴオル*2とか解説無しに書いちゃって。そう言えば惑星ソラリス*3とかSAN値*4とかも書いちゃったような。一般人が理解できないと胸を張って宣言できる言葉を人様のブログにコメントしちゃいけませんね。猛省せねば。
 もともとエントリーと直接関係ない内容だったので議論が一段落付くのを待ってたんですが、う〜ん、これid:blupyさんレス付けて*5くれるかなぁ? ものすごくレスしづらい内容になっちゃったような。見てないとは思いますがblupyさん、ガンバって。そしてTAKESAN、なんかもう、ごめんなさい

TAKESAN言う所の言葉の恣意性の問題

 これで終わってしまうのもなんなんで、一応コメント欄のやり取りについてblupyさん言う所のギャラリーとして一言。
 個人的には、blupyさんの誤読、というより問題の関心点の違いが表面化したんだと思っています。元々心理学・経済学などの人文科学方面に関心がお有りなblupyさんが「言語学」「認識」と聞けば人文科学の文脈で判断するのはやむを得ないかな、と思います。しかし、TAKESANもdlitさんも、俎上に上げているのは「水伝」なんですよね。水伝は「水」が、「人」ではなくてあくまでも物体である「水」が言葉を理解する、と言うより綺麗な言葉を判別すると言う主張です。相手が物体なので、当然自然科学の対象となります。あくまで水伝自体は、物理的対象に対する検証実験を主張していて、当然ながら人文科学の俎上に上がるものではないんですよね。
 以下詳しくは上記のリンク先か、dlitさんのコチラを見て貰うとして、要するに、水伝の主張は、物理的な存在である水が恣意性を持つ言葉によって価値判断する、という内容です。ここで言う恣意性とは「語形と語義に必然的な結びつきが無い」ということですが、黒猫亭さんと同じく私もこの辺りで齟齬が起きているように思います。blupyさんは語形を学習できると簡単に、と言ったら何ですが済ましていますが、語形とはこの場合、物理的実体以外の何者でもないんですね。物理的実体と語義の間に必然的な結びつきが無い、これがTAKESANの言う言語の恣意性の問題です。で、舞台が自然科学だった場合、物理的実体と語義の関連性が不明なら、そもそも何を測定しているのか実験デザインそのものが根本的に不明ですよね? しかも思いっきり価値判断を含んでいるし。自然科学は価値判断を扱えない、よって検証不能、と切り捨てて一向に構わない、あくまで自然科学としては、です。恐らくはblupyさんもそのことには同意なさると思います。
 別に、水が中枢を持っていて言葉を理解できる、だから人文科学の対象となる、と主張したって一向にかまわないんですが、それは最初の前提である「水伝」とは別の話、です。あくまで水伝の実験手法に則るなら、やはり検証不能でしょう。
 

blupyさんが読み損ねたもの

 blupyさんが勘違いなさっている所がもしあるとしたら、それはTAKESANが終始一貫して水伝の話をしていることです。例えば、岩石を破壊するのに言葉が有効だ、と言う主張があったとしましょう。これは検証可能です。例えば周波数などの言葉の物理実体を検証して破壊実験を繰り返せば良いんですから。で、実際に有効だったとします。その内、「馬鹿野郎と言う方が岩が良く割れる」と言い出す人がいたとします。これも検証可能です。対照実験すれば良いんですからね。更に「ありがとうと言うと綺麗に割れる」この主張辺りから怪しくなってきます。「綺麗に割れる」を定義し定量化する必要があるからです。可能でしょうか? 難しい所ですね。最後に、こう言う主張が出ました。「岩が綺麗に割れたのは、ありがとうと言う言葉が良い言葉だからだ」言うまでもないですが、これが水伝の主張です。これは検証可能でしょうか。
 言葉の物理実体は計測できます。少なくとも、検証不能ではない。でも「物理実体と必然的な関係がない」語義は、どうやったら測定できますか。言い換えるなら、ありがとうと言う言葉が良い言葉であることを、物理現象で説明できますか? ということです。blupyさんの議論は、向きが逆なんです。物理現象を持ってして、語義を測定しよう、と言うのが水伝なんです。言霊ですからね。だから、水伝を批判的に取り上げるなら、そこを批判しなければ意味がない。
 勿論、水には(観測されてないけど)中枢があって、それには人間と同じ感覚器と判断機能と記憶力があって、言葉を理解できるほどに人間的な価値観を持っていて――こんな無理な設定を重ねてまで人文科学の領域に持ってくる水伝擁護者がいないとも限らないですが。
 そんな訳で。blupyさんの

反論があるなら「水伝を言語の恣意性から検証不能といてえかつ、社会心理などの命題は検証不能にはならないこと」を示してくださいな。

 これはそもそもレイヤーの違う話です、と言う答えで私はFAです。TAKESANは社会心理の命題については一切何も論じておられません。いや、一言だけ言ったか。全く的外れ、と。対象が水でなく人間である時点で、TAKESANのエントリーとは無関係です。そう、いみじくもblupyさんが仰った

TAKESANさんの表現の問題、ということになるんだろうけどもっかいよく読んで見てください。

 そう、もう一回よく読んで見てください。TAKESANがこのエントリーで何を取り上げ、何を論じているか。検証不能といった対象は何なのか。その後、

そもそも普遍的な価値観の話をしていたはずなのに、心理社会的に規定された価値的な概念との結びつきを確かめる事になって、自分で主張を変化させていると看做せます。(江本氏的には)問題を矮小化している訳ですね。
つまり、
 ・文化によらない普遍的価値
 ・心理・社会的に、つまり体系内での機能として持たされている価値
は本質的に異なっているという事ですね。普遍的価値を、文化的に被せた網としての言語から論ずるのは不可能だ、と言えるでしょう。

こう書いたのは何故か、と言うことを。TAKESANが間違えている可能性もblupyさんが間違えている(私は、blupyさんは間違えているのではなく条件、それも黒猫亭さんに言わせると抜け落ちていた前提条件を読み損なった、と考えています。端的に言えば、誤解です。ただし、言葉をではなく、その適応対象を、です。)可能性も、等しくあるのだから。
 ま、一番大きな可能性はこの私自身が間違っていることですが。
追記 02/20
 新たにエントリーを上げました。コメント等ございましたらそちらにお願いします。

再追記 02/22
 blupyさんのブログで、しばらくお休みなさる由、連絡がありました。気長にお待ちしましょうね。まったりいきましょ、まったり。

*1:正確には、執筆とタイピング自体は結構早いんですが、タイポと修正・変更が多すぎて完成が伸びまくる

*2:正確にはヨネザアド・アタゴオル。ヨネザアド大陸のアタゴオルの森。早い話が、米沢の愛宕。漫画家ますむらひろしのライフワーク。等身大で二足歩行するネコと人が尺の狂った森の中で大騒ぎするファンタジー。因みに心のマンガの中でも特に別枠で心のマンガ。なんせ高校生の時初めて本屋に注文した本がアタゴオル玉手箱。当時のあだ名はヒデヨシで、いまでもテンプラのファッションスタイルは理想だと思っている。……知らない人が見たら気が狂ったと思われそうですが、そう言うキャラがいるんですよ。日本を、いや世界を代表するファンタジー作品です。是非是非読んでください。しかし長い脚注

*3:SF作家スタニスワフ・レムの代表作『ソラリス (Solaris)』の舞台。ここでは超知性体な水の比喩。って、おもっきりネタバレやがな

*4:クトルゥ関連のTRPGにつきものな能力値。正気度。異質なものに精神を犯されると下がっていき、やがて狂気にとらわれる。

*5:しばらく書き込めないと仰っておいででしたが、それはそれとして